千葉工業大学 電気電子情報工学科の教員公募の書類の中で,「教育に関する抱負」の記述が求められました.
その際に記述したことを,ここに残しておくことで,いつでも原点回帰するようにしておきたいと思います.
また,このサイト(文章)に出会った御縁,
あるいは,御縁があって当方の講義を受講する学生さんへ,
さらには,御縁が繋がって当方の研究室で修行することになった学生さんに,
「教育」に対する佐藤の考えをお伝えすることで,潤滑剤のようなものになることを期待する次第です.
「教育」とは,まずその言葉の通り,「教えて育てる」ことになります.
決して,言葉遊びをするつもりはありませんし,
「教育」は「教育」であって,
それ以外の言葉や意味で置き換えることに意味があるのか,あるいは,ないのか,
本質的なことなのか,大事なことなのかも分かりませんが,
別の意味や解釈を与えるのではなく,具体的にはこういう喩えができるかな?という程度です.
現代社会における大学の役割として,
「教育」および「研究」,さらに「地域貢献」の3つが挙げられることが多いように思います.
しかしながら,まず大学はそこに所属する学生のために存在する環境であり,
学生の本分は「学ぶこと」にあると考えます.
そのことから,大学教員の本分は「教える」ことにあると考えます.
そして重要な点として,「教育」,「研究」,「地域貢献」と掲げられる3つの大学の役割は,
不動の優先順位として示されるべきであると考えております.
私が講義を担当させて頂く際には,どのような学問分野であっても,
自身がどのように理解していったか,あるいは,どのように理解しているのかを,
理解できたときの爽快だった記憶を辿り,その経験をまずは活かすところから始めたいと思います.
また一見,遠回りに思える数学や物理の基礎については,
必要性を丁寧に伝え,復習を重ね,分かりにくい箇所は具体的な最先端研究事例により興味を掘り起こし,
必須となる数学や物理にいつでも戻る柔軟性を持ち,例題や問題が解けた爽快な理解体験を経て科目習得していく講義を目標とし,抱負と致します.
どのような学問分野であっても,基礎が大事である,と言われますが,それは決して色褪せることのない学究的な真理の1つであると私は考えています.
本田技研創業者の本田宗一郎氏は
「自分はこれが好きだと思い,自分はこれを職業としたいというものを発見させるのが,教育の主眼のひとつである」と述べています.
私なりの解釈では,大学講義においては,真理を学ぶための定義をまず理解し,
そこから自分で仮定を作り,それを解いていくことで,自分が向き合っている真理に近づくこと,
そして,それらの繰り返しによって考え方を広げていくことが,大学講義の主眼であると考えます.
私は「ものさし」を手に入れた経験を伝えることだと考えています.
私も多くの先生と出会い,それらの講義を通じて「ものさし」の存在を知り,
様々な問題(例えば,技術的な課題)の解決に活用している最中です.
今度は,私が大学教員として,私なりの解釈も混じりますが,「ものさし」があることを学生さんへ伝えたいと思います.
もちろん随時,私も新しい「ものさし」を手に入れて,「教育」についても考え続けたいと思います.
電磁場の伝播速度cは,
となる.ここで,ε0は真空の誘電率であり,μ0は真空の透磁率である. cは,真空中の光の速度(299792458 m/s)に一致する *1.