千葉工業大学 電気電子情報工学科の教員公募の書類の中で,「研究に関する抱負」の記述が求められました.
その際に記述したことを,ここに残しておくことで,いつでも原点回帰するようにしておきたいと思います.
また,このサイト(文章)に出会った御縁,
御縁が繋がって当方の研究室で修行することになった学生さんに,
「研究」に対する佐藤の考えをお伝えすることで,
学生として,研究室での活動において,
余計な摩擦を生まず,潤滑剤のようなものになることを期待する次第です.
「研究」とは,まずその言葉の通り,「研いで究める」になります. 言葉遊びをするつもりはありませんし, 「研究」は「研究」であって, それ以外の言葉や意味で置き換えることに意味があるのか,もしくはないのか, そういうことが本質的なこと,大事なことなのかも分かりませんが, 別の意味や解釈を与えるのではなく,具体的にはこういう喩えができるかな?という気持ちで書いています. ご了承下さい.
研究活動の場において,学生らと深い信頼関係を構築し,
彼らからも自身が大いに学ぶ姿勢を大切にしていきたいです.
結果として,リーダーシップ・フォロアーシップを問わず,
エンジニアとしての高い能力を発揮する人物を輩出することが,大学の役割の一つである地域貢献に繋がると考えています.
(中略)
これまでの思い描いた実験装置を具現化してきた自身の経験を活かし,
物理現象を計測する装置を,学生らと一緒に提案・構築し,いつでも目の前で起こる物理現象を学ぶ,学び直せる,
そのような学生のための研究環境の構築に注力していく所存です.
私は「地図を描く」こと,その活動だと思っています.
伊能忠敬が描いた地図の見事さに感動しない日本人は居ないと思います.
残っている地図は平面図かもしれませんが,
山や川の情報もありますので3次元的であり,時間を超えて利用できる(歴史的価値もある)ので4次元的なものです.
まず最初は,しっかり準備を整えた上で,「地図の端っこ」まで行くことを目指します.
その後,人類のための地図に描き足すために,
自分が準備したもので測量*1して,続きを描くこと,
その一連の活動を「研究」のイメージとして捉えています.
砂漠のキャラバン隊にしろ,大海原へ漕ぎだす船
*2にしろ,
それらは旅人自身の責任において準備をしっかりと整えて,
未知への「期待」を抱き,なおかつ,常に引き返す「勇気」を併せ持って,出発しなくてはなりません.
佐藤君は「電子回路」は得意ですか?
(『得意かは分かりませんが,好きです.』と返答.)
では,まずは佐々木君の研究テーマを引き継いでもらうところから始めましょう.