大学講義というものにおいて,毎回毎回が「知的な刺激に溢れ,愉しくて,時間を忘れる」くらい集中してしまうことで,自ずと「しっかりと学べてしまっている!」のが,理想かもしれません.
大学教員として,講義の工夫をして,理解を促すことは大事なことだと考えていますが,
それを少し横において,
ここで,1つだけアドバイスをさせて下さい.それは「ノートを丁寧にとりましょう」…です.
大学の講義は,退屈だと感じるかもしれませんが,専門職として,いつか使う知識であるはずです.また,多くの学問は驚くほどに体系化されています.どうか,まず,それを信じて下さい.
ですので,退屈だと感じた場合も,講義ノートを丁寧に取ることで,早く時間が過ぎますし,丁寧なノートは「達成感」を予想以上にもたらします.
研究活動中は,新しいことに出逢うことが本当に多いです.そして,驚くほど,それをすぐに忘れます
出逢った経験・知識は,もったいないですから,なんでも残しておきましょう.後から見る丁寧なノートは「達成感」を約束します.
しっかりと人の話を聞いて,丁寧にメモを取る人は,ものすごく信頼されます.そういうところを意外に,上司(and/or 同輩・後輩)は見ていますよ.
仮にですが,別に上司に見てもらえてなくても,「達成感」は得られるはずです.
イギリスの物理学者の マイケル・ファラデー(Michael Faraday, 1791~1867)は, ロンドン郊外の貧しい鍛冶屋に生まれ,製本屋に丁稚奉公していた時に, 王立研究所で著名な科学者であった ハンフリー・デービー(Sir Humphry Davy, 1778~1829)の講演会があり, その講演を聞く機会を得たそうです. そして,その講義筆記ノートとその内容に関する自らの意見を各所に付して,デービーに送ったそうです. その後,それを読んだデービーは,彼の才能に驚き,自分の実験助手に迎えたそうです.