私が「学生」という身分であったときに,出逢いたかった「言葉」というか,「定義」があります.それは,
「物理的に理解している」とは,どういう状態のことを言うのか?
つまり「物理的に(これ,それを)理解したぞ!」という達成感,明確なゴールも分からず,いったい何を以って,次のステップに進めば良いのか?そもそも,どのように「物理現象」と対峙するのかも分からない状態でした.
昔の自分のように,物理が好きでも,それが漠然(ぼんやり)としていて,「どうすれば良いのか分からない」という学生さんを救えるのなら救いたいと思い,記述します.
「物理的に理解する」ことについて,具体的に,物理の分野の一つである【力学】において,「バスケットボール(質量m[kg])が位置x[m]から,初速v[m/s]で投げられた時,それが私の腕に当たって打撲して痛かった.」ではない,ということです.
この本の最初に- 物理をいかに学ぶか -という前書きがあります.
その文章を読んで,私(佐藤)なりにまとめると,「物理的に理解する」とは,
物理現象を表す数式があり,その数式の意味しているものが何かを考えること.つまり,「数式自体,および,その数式を形成している全ての変数(パラメータ)をイメージ(描画)できる状態」が「物理的に理解している状態」である,と換言できると思います.
さらに,この本が素晴らしさを増長していると感じるのは,
という,私が学生時代に,まさに知りたかった「物理的な理解」の指標であり,定義であり,これらが「格言」のように感じるからです.
物理的な理解をしているかを確認する必要があった際には,
という論法で,真剣に議論していければ,愉しそうです.
2つの電荷Q1[C], Q2[C]に働く静電気力F[N]は,
となる.ここで,ε0は真空の誘電率[F/m]であり, rは2つの電荷の距離[m]である *1.