*** 背景と目的 [#r25ccefb]
千葉工業大学 工学部 機械電子創成工学科の卒業認定要件として,卒業研究論文を提出することが必要条件です.&br;
&br;
小学6年間,中学3年間,高校3年間,そして,大学4年間という,合計16年間の学業の「&color(orange){''集大成''};」となるものですから,
持っている能力の全てを使って,しっかりと自分の主張を「卒業論文」に書き込んで下さい.&br;

集大成としての卒業論文の執筆に注力して頂くこと,
そのために,ここに述べる「卒業論文についての一考」が参考になるのでしたら幸いです.
それが,一考として記述する目的となります.

ただ勘違いをされないように記述しますが,以下の意見は,(1)千葉工業大学 工学部 機械電子創成工学科 佐藤研究室だけの独自ルールであり,全ての方には到底,適用できません.(2)佐藤自身の価値観の変化から変わることもありえます.ご了承下さい. 

*** '中田 亨 著「理系のための即効! 卒業論文術」'より. [#j1bf2ec7]

読んだことが無い方は購入して読むべきだと思いますが,要点をまとめますと,

- 何の問題を,なぜ解く必要があるのか?
- どのように解くのが良いのか?
- その解き方がなぜ可能なのか?
- 十分な証拠が示されているか? &color(blue){''【実験の結果】+【物理的な考察】''};
- 総括と自己評価が記述されているか?
&br;

%%%卒業論文の評価ポイント%%%

- 文章の各部が互いに分業,協力するように書かれているか?
- 他人の真似ではない新規要素が主張にあるか?

と,記されています.

*** 提言 [#rdcfc0ec]

卒業論文を執筆する際,下記のような流れを意識してみてください.

- 第1章:研究背景と目的
- 第2章:あなたが採用する手段の原理と根拠は?
- 第3章:結果
- 第4章:考察
- 第5章:まとめと今後の課題
- 参考文献

*** 千葉工業大学 工学部 機械電子創成工学科における「卒業論文」の一例 [#q7c83848]

指定のファイルホルダに,下記のような印刷物としてまとまります.

- 表 紙
- 概 要
- 目 次
- 第1章:研究背景と目的
- 第2章:手法とその原理
- 第3章:結果
- 第4章:考察
- 第5章:まとめと今後の課題
- 参考文献
- 付 録:(本文には残さないが,必要となる知見)

*** 佐藤の解釈 [#q15fb648]

卒業論文は,ページ数を競うようなものではありません.つまり,&br;
&br;
&size(24){たくさん記述すれば良い訳ではありません.};&br;
&br;
本文は20ページ程度で,「しっかりと考えられて,推敲を重ねて正しい表記で,誤字脱字が無く,独自の主張があるもの」を目指して下さい.
また付録に際限は無いですが,20ページを超えるようならば,本文と同じボリュームになってしまいますから,再考して下さい.&br;
&br;
「参考文献」が乏しい卒業論文は,卒業論文自体の存在を否定していますし,残念な論文と言わざると得ません.
つまり,&color(red){''先人への敬意''};は,エンジニアは絶対に失ってはなりません.&br;

*** 曖昧な部分 [#pa30a992]

卒業論文の本文20ページ程度に,「表紙」,「概要」,「目次」,「参考文献」,「付録」のほか,「図・表」を含める,あるいは,含めないことについて,ご自身で判断ください.&br;

これまで,すこし誤解があったかもしれませんが,
「20ページ」分を文章量として満たすことに意味はなく,「20ページ」分しか書けないので余計な部分は削ぎ落としてください.

*** 執筆する際に [#c07630fb]

- 1つの文において,主語(何が),目的語(何を),述語(どうした)を意識する.
- 1つのパラグラフで主張することは,原則として1つに絞って下さい.
- すべての図,表についての「説明」が,文章中において必要です.
- 定性的(小さくなった,大きくなった,変わった)ではなく,定量的(100[C]減少,0.1[V]の差異,など)に表記しましょう.
- 代名詞(あれ,それ,どれ,これ,その)はできるだけ使用しない.

「理科系の作文技術」(木下 是 著)を読んで,自分の中で基準を作ってから,執筆に臨むのが良いです.

***「卒業研究論文」は…. [#ubfdae0c]

研究室にずっと残ります.少なくとも「佐藤研究室,解散の日」までは保管されます.

*** 実話 [#u1829dbe]

『卒業論文は,そのまま残しておくことに価値があるんですよ.』 by 船戸先生.

*** 参考文献 [#m48bb59c]
- 木下 是: 「理科系の作文技術」中公新書 (1981).
- 中田 亨: 「卒業論文術―この通りに書けば卒論ができあがる」講談社 (2010).
&br;
&br;

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